Paul Stanley @ HOB コンサートに参加するということ

30 07 2008

日本とアメリカではコンサートの楽しみ方が違う、ということはそれぞれ日米で1度でもライブを体験したことがある人ならばご存知かと思う。

子供の頃、コンサートに行くことは私にとって大イベントだった。(今でもそーだけど。)新作がリリースされれば購入し、通学/通勤時に毎日聞いてその日に備えた。ミュージック・ライフ、音楽専科等には新作リリース/来日公演を狙ってインタビューとかもちゃんと組まれてたし。どんな人が、私の心にグッと来ちゃうこんなすてきな曲を書くのか?その曲の制作過程は?人物像やその曲の背景に思いをめぐらせたものだ。

本を読んでいても同じ。ちょっと読んで楽しい話が展開し始めると、どんなバックグラウンドの持ち主がこんな上手い話を書くんだろー、とズルして「あとがき/著者紹介」を先に読んでしまったり。新しいレコードを買ってまず最初に読むのが「Thank You List」ってどうよ。(オタクなアタシ・・・。)Pre-MTV時代、YouTubeもなかった時代の話である。アーティスに関する情報は雑誌やラジオしかなく、ファンは「想像」することをかなり強いられた。今思うと、私たちはなんとレコード会社の「思うつぼ」にはまっていたことか。

そして夢にまで見たライブ当日である。オープニングから叫ぶ、歌う、踊る。観客全員がまさしくコンサートに参加するのである。1曲たりとも見逃したりしない。曲間、アーティストがタオルで汗を拭うシーンだってドキドキして見た。アンコールが終わるまで皆、ステージに釘付けなのだ。

一方、アメリカでライブを見ると・・・どーも会場の一体感が、ない。参加していない。ステージそばの観客以外はライブに集中していない。ビール買いに行ったり、仲間と騒いだり。ヒット曲以外はあまり興味なさそーだし。ライブが、騒ぐための「道具」でしかないようにも見える。「ステージにいるあの人たちは、今ここで演奏するためにどんな努力をしてきたか知っとるんかい、おらぁ。」と心の中で息巻いたりすることも、たまにあり。

アーティストは曲を作り続けることが理念だとすると、新曲に全く興味を示さない観客を相手に演奏する行為は、かなりのジレンマではなかろうか。

そんなアメリカでのコンサート会場でぶっとんでしまったのが、ポール・スタンリーのソロ・ライブである。古い話で恐縮だが、2006年11月のことだ。

ハウス・オブ・ブルース・サンセットで行われたソールド・アウト・ショー。客電が落ちるとギャーという歓声、しかも全部、男の声。オープニングから大合唱。(いいぞ、皆コンサートに参加している!)ポールのファースト・ソロ・アルバムからの曲も覚えている。 リリースは1978年。(ひえー) しかもサビだけじゃなくて、全編だ。

ステージに押し寄せている最前列を見ると、9割が男性。結構いいトシしたおっさんたちが、驚喜の様子でポールの名前を絶叫している。きっと家庭ではティーンエイジャーの子供を持つパパであったり、会社では偉い人かもしれぬ。そんなオヤジたちをジャンプさせ、絶叫させる。 いやー、感動。 壮快ですらある。

ポールのMCもユーモアを交えて、結構楽しいということに気づいた。よく考えてみれば、15,000人以下の観衆に向かって話すポールを私は見たことがない。90年代、キッスのライブはいつも武道館かドームだったし。彼のMCはかっこ良く聞こえるが、意味をなさない。「おーらい、ときおー!」「あーゆーれでぃ?」プロレス同様、大きな会場ではすこぶる盛り上がるが、彼が私たちファンに伝達したいものはここには何もないのだ。

ハウス・オブ・ブルースでのライブ終了後、男性ファンが連れの友人に「僕、ポールのステージ・アクション覚えちゃったもんね♡」とか言って、ポールがよくやる「振り」してみせた。 おやじをも踊らせる、ロックの、そしてポールのパワーを体感した夜だった。

ライブの楽しみ方は千差万別だ。日本でもフジ・ロックやサマソニの出現で、その楽しみ方も変わってきていると聞いている。いいじゃないか、どうやって楽しもうとも。そういえば、先日、ロスで見たジェットボーイズや、イングリッシュ・ビート/フィクス/アラームのライブも、規模の差こそあれ、ファン参加型のライブではあった。

一方、ピーター・フランプトンの去年のステージでこんな発言もあった。「みんな今日はノッてくれてありがとう。日本とかでやるとさー、腕組んでるだけでさ。楽しんでるんだかどーだか・・・」いったいいつの話をしてるんだか。でも飲んで騒いでライブを楽しんでくれ、っつーアーティストもいるわけだ。

そういえば、日本のコンサートでファンがステージに向かって投げていた紙テープ。あれは一体いつから消滅したのだろうか?(コンサートと紙テープの接点が見えない世代の方は、ココは飛ばして読んでくれ。すまん。)今思うと実に不思議な行為ではあった。 でもアーティストがキャッチしようものなら、自分が握りしめている紙テープを通して「体感」できちゃうわけだし。「好きなアーティストと同じ空気を吸っている」の次のレベルで、アーティストとさらに近づくための行為、だったかと思うが、はて。

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