Steely Dan @ Gibson Amphitheater

5 09 2009

Steely Dan @ Gibson Amphitheater

この夏、スティーリー・ダンが北米とヨーロッパでツアーを行なっている。そのフィナーレに近い8月25日、ユニバーサル・シティ内ギブソン・アンフィシアターでのライブを見た。ロスでは4夜ライブが設定されており、アルバム’Aja’, ‘Gaucho’, ‘The Royal Scam’を1夜につき各1枚のアルバム全曲&その他のアルバムからのヒット曲を演奏する、というファンにとっては嬉しい(んだか迷惑な)設定になっていた。コアなファンだったらお金かかるけどやっぱ4日間とも行きたいだろーなー。私が行ったのは4日目。この日はインターネットで集められたリクエストによってセットリストが構成。いわばグレイテスト・ヒッツ的な選曲になった。事前にチケットを購入した人にリクエストフォームが自動的に送信され集計したらしい。

「今夜はインターネットで集めたリクエストからセットリストを構成したから、僕たちのためじゃなくて、まさに会場のみんなのための夜になるよ。」

ドナルドがいつものように背中を丸めてキーボード前に座り観衆に語る。ホールの客席側、両脇に黒いカーテンがかかっていて客席数がぐっと減らされていたから、満員とはいかなかったものの気分的にはすごくリッチなのよねー、不思議なことに。ギブソン・アンフィシアターに漂う上品な佇まいのせいかスティーリー・ダンの楽曲がなせるマジックなのか。

Peg, Rikki Don’t Lose That Number, Black Friday, Hey Nineteen, Babylon Sisters, Josie (順不同)・・・ラストのReelin’ in the Yearsまでたっぷり2時間弱のライブ。ホーン4人、女性バックボーカル4人、ベース、ドラムとツアーギタリストに加え、この日のゲスト・ギタリストがラリー・カールトン!いえーい。総勢14人がステージに並んだ。

「CDとまったく同じように演奏するのがいいんだか悪いんだか」っつー点がよく語られるスティーリー・ダンのライブだが、今回はちょっとジャズ寄りにアレンジされており、ホーンの各所で不協和音的なコードが多いのに気づいた。すみましぇーん、私、ロックなファンなもんで直球で行ってもらったほうが快感かも。そう、「CDとまったく同じ」でいいのだ。エンジニアを何人も抱えて(替えて?)作ったあのCDの音を、ライブで再現できるっつーのがすごいところでもあるのだ。派手なステージ・プロダクションや長いソロ演奏もなく、ダンサーがいるわけでも当然なく、まさに「曲」が主役の夜だった。

「ドナルドがいつものように・・・」とさっき書いてみたものの、前回スティーリー・ダンのライブを見たのは2003年NYCのローズランド(かIrving Plaza)だったと思う。オールスタンディングの小さめの会場だった。元ヒッピー、元フラワーチルドレンなファンが多かったのか、会場内禁煙なのになぜか煙い。ステージからウォルターが「もうみんな70年代から吸ってるプロばっかりだから(と言ってもタバコじゃなくてあっちの方)。ステージまでにおってくるよ。」とか言っていたのを今でも覚えている。はは。その前は1994年、カムバック・ツアーの時、代々木体育館でのライブを見た。休憩が入って2部構成。どんな展開になるのかなーと楽しみにしていたら「単に2人が疲れるから」という理由で2部構成になっただけ、と関係者から聞いて拍子抜けした。

Twitterもしておいたけど・・・今回のライブのチケットはチケットマスターのウェブサイトから「ライブ当日」に購入した。マドンナやポール・マッカートニーのような大物でももはや完売できないほど苦戦しているチケット販売/コンサート業界。そこで最近打ち出されたのが’2 for Tuesday’, ‘ 2 for one offer’。いわゆる1枚買うと2枚目がタダってヤツ。さらに今回お得だったのは、通常チケットマスターがガッツリとっていく手数料もタダという点。さすがに座席は良くなかったけど、2枚のチケット代合計が、しかもスティーリー・ダンで$65だったのは嬉しかった。

20代以下のオーディエンスは皆無だった、とか言うもいたけど・・・私の周りには結構いましたよー。おとーさんに引率されたEMOな中学生の息子たちが。「そんなもん聞かないでお前もスティーリー・ダンを見習え」とかおとーさん言っているのかな、ふふ。でも音楽はこうやって引き継がれ、ジェネレーションを超えて聞かれるのだと思う。日本にもこういう文化があるといいのにー。ドナルドF 61歳、ウォルターB 59歳。日本のおとーさんたちもがんばれ。


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